受験業界で小論文の必要性が一気に高まったのはここ十数年、大学入試改革の流れの中です。根岸をはじめ、多くの講師・教員によりさまざまな指導の仕方が生み出されています。その中から、今号のニュースレターでは『小論文の過去問の取り組ませ方』をテーマにお届けします。根岸の指導メソッドの中から、明日取り組めるものをピックアップしてお届けします。なんと今号は資料付き!
指導を始める前に準備するもの
課題の書いてある作文用紙。これだけです。当たり前といえば当たり前ですね。学校で用意してあるものでも、市販のものでもなんでもかまいません。でも、よくある作文用紙だと誤字脱字、アドバイスが書きづらいですよね。添削に苦労されていると思います。指導する側もされる側も、よい点・改善点もしっかりと把握できるような、学習効果の高いデザインの原稿用紙が必要です。
「デザイン」といってもそんなに難しいものではないです。原稿用紙を等倍で大きなサイズに印刷するだけ。角を合わせてA4ならB4で、B4ならA3で印刷すればOK! そうすると原稿用紙の右側と下側に空白ができます。こうやってコメントを書くスペースを確保するわけです。
でも、先生方の机の上って本当にスペースないですよね(汚いとは言ってませんので!!)。A3の紙を広げて書くのはかなり大変だと思います。だから、という訳ではないのですが、指導しやすさを突き詰めて、当塾ではこのような形の解答用紙を使っています。
コピーOKです。アレンジしていただいてもかまいません。ぜひご活用ください!
小論文過去問指導①〜時間の使い方〜
試験にはもちろん制限時間がある。制限時間超えていいという先生もいますが、根岸はもうひと工夫のアドバイスをしています。「制限時間が90分なら90分以内に何かしらの形に仕上げなさい。そこから先はいくらでも時間をかけていい」。
じっくり考える時間はとても大切です。しかし、時間の中で作らなければならないというプレッシャーも必要です。思考力が高くても制限時間内に発揮できなければ意味がなくなってしまう、というのは悲しいですよね。粗くてもいいから形にして、あとからじっくり練り直す。思考力の育成と本番想定型の指導の両立を、早い時期から意識する。仮に時間内にほとんど手をつけられなかったとしても、それは生徒が実力不足を痛感する経験です。十分に意義深い時間です。
ちなみに、根岸は現代文授業の予習もこの形式でやらせています。言葉の意味調べは時間外の課題。まずは「読む」。話はそれからです。
小論文過去問指導②〜指導のサイクル〜
当塾では次のプロセスで過去問指導を行います。
- 課題の予習(制限時間内に書く→無制限)
- 授業・動画添削を受ける
- 再論述
そして同じ問題は必ず2回演習。たしかに指摘すればするほど、指導すればするほど小論文の質は向上します。しかし、同じ文章に対して指導を入れすぎると表現の幅が少なくなり、誰が書いた文章だか分からなくなってしまいます。総合型選抜・学校推薦型選抜では面接と小論文がセットのことも多いので、「自分の言葉」で「自分の考え」を表現できるようにすることも必要です。それには2回の指導がベストだと考えています。
マンツーマンで指導するにはこれでよいのですが、人数が多いと手が回らないですよね。当塾でも添削には本当に命をかけてますので、少人数でも大変です。とはいえ手を抜くわけにもいきません。
そこで、次回のニュースレターでは生徒の答案を変える指導のコツを、生徒の文章がすぐに変わるテクニックに絞ってお届けします。お楽しみに。
第2回はこちら
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