〔志望理由書〕情報集めが苦手な生徒が多くて……

〔志望理由書〕情報集めが苦手な生徒が多くて……

志望理由書の指導法 第2回〔全3回〕

2022/10/11

メイジャーステップ根岸です。 Twitter:@DiceK_Negishi 
前回、志望理由書における「過去」と「未来」の内容の解説を行いました。過去の経験が将来のビジョンを達成する原動力になっていることをアピールするための文章構成です。
しかし、このまま書き進めていると何となく形にはなるものの、大事な要素が抜け落ちたままになってしまう場合があります。なぜ志望理由書をわざわざ書かせるか、という採用者・進路担当側の視点が欠けてしまうのです。志望理由書は「調べたうえで自分の学校・企業を選んでるよね?」という試金石です。その学校・企業に入ることで自分が学びたいことや働きたい姿が叶うのか? こうしたことをアピールするのも志望理由書の作成では重要です。そのための書き方と下準備・情報収集の仕方を今回はお話しします。

志望理由書の書き方(後編)

4.今がんばっていることや社会の問題

過去、未来ときて次は現在です。自己PRにつながる部分ですね。受験生の個性や問題意識が最も表れる部分です。目のつけどころは二つあります。どちらも書くべきですが、志望先により重点を置くところが変わります。
A がんばっていることの努力と成果
部活動やアルバイト、学校生活においてどのようなことを考えて過ごしてきたのか、どのような成果を出したのかを書きます。ここは生徒たちにとってイメージしやすいため、比較的書きやすいのですが、注意しなければならないことがあります。それは「エピソードに語らせる」こと。
たとえば部活動なら、自分が「何について」「どのような行動をして」「どのような成長を遂げたのか」を書きます。できるだけ簡潔に、しかしそれが一つのまとまりをもったエピソードになるように表現を工夫します。
華々しい成果を披露できればよいのですが、一回戦負けだったから価値がないというのもおかしな話です。だからこそ、エピソードに自分を語らせることが大切なのです。
B 目指す分野の社会的評価や問題
自分が志望する分野が社会の中でどのように評価されているか、あるいはどのような問題を抱えているかを書きます。それに対して自分がどのように関わっていきたいのか(関わっているのか)、自分のどういった能力が活かせるのかを書きましょう。こうすることでその分野への関心度合い、アンテナの高さをアピールすることができます。

5.その学校・企業を選択した理由

いわゆる志望理由です。この部分を先に書くのももちろんアリです。ただ、文章冒頭ではサマリーにとどめ、詳細は後ろに配置するのがよいと根岸は指導します。
それは、背景を先に説明することで、志望先でなければならない理由が明確になるから。志望理由書で重要なのは、志望先の理解もさることながら、自分自身がその学校・企業に入るのにふさわしい適性・資質の持ち主であることを伝えること。だからそれを先行して書いて、その実現のために貴学・貴社で学ぶことが必要なんだ、というメッセージにするわけです。

6.結び

1~5までをまとめ、志望理由の中心がよくわかるように表現します。2〜3文で簡潔に書きます。


情報収集法5選

志望理由書を書くための下調べをするよう生徒に指導すると、想像以上に情報を集められなかったり、怪しげな情報をつかんでいたりすることがありますよね。インターネットリテラシーが高いと思われる今どきの生徒でも、情報収集のスキルがないと必要な情報を十分に集めることができません。そこで私たちが指導する必要が出てきます。ここでは根岸が講演会で話している五つのポイントをお教えします。

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