メイジャーステップ根岸です。 Twitter:@DiceK_Negishi
それはもしかしたら、「何を書いたらいいか」がわからないから書けないのではなく、「何を書いたらダメなのか」がわからないからかもしれません。大事な書類ですから「失敗したらどうしよう」と不安になる。だから書くのを躊躇する。根岸の経験上少なくない数の生徒さんがこう思っています。
だから、講演会のなかで“三大ダメ志望理由書のパターン”があることを知っておくように提示しています。
三大ダメ志望理由書
たとえば、情報系の専門学校を志望する高校3年生がこんな志望理由を書いたとしましょう。
私はスマートフォンのゲームで遊ぶことが好きです。だからプログラミングの勉強ができる貴校を志望します。好きなことでお金を稼げることを目指しています。
ダメなのはわかると思います。では何が、なぜダメなのか。それを生徒に説明するとしたらどういう言い方をするでしょうか?
たとえば根岸ならこう言います。
「この志望理由だと『単にゲームが好きなだけでは?』『プログラミングと言ってもゲームだけでないけど理解していないのではないか』と志望校の先生に思われかねないんだよね。あなたのゲームが好きだっていう気持ちはよくわかるけど、それが自分の将来、未来の社会とどうつながるかを考えてほしいんだ」
好きだと思う気持ちそのものがダメなわけではありません。お金を稼ぐこともとても大切です。しかし、それは個人の都合です。それだけではまるで説得力がないですよね。
そこで、根岸が伝える“三大ダメ志望理由”です。
- 〜が好きだから
- 〜になればお金をたくさん稼げるから
- とりあえず~かなと思って
1.~が好きだから
その分野が好きだという気持ちはとても大切です。積極的に書くべきです。しかし「好き」だけではダメ。「好き」がその先に、社会にどうつながるのかを考えて示す必要があります。
2.~になればお金をたくさん稼げるから
お金を稼ぐことは大切ですし、高収入のためには資格取得が必要でそのために進学するという動機も悪くはありません。しかしそれだけではダメです。高収入、資格取得を目指すからこその社会的使命、ノブレス・オブリージュではないですが、そういう思いを抱いていることを伝えなければなりません。
3.とりあえず~かなと思って
高3で自分の将来像を明確に描けというのは酷な面もあります。むりやり決めさせたところでそれが必ずしもその生徒の人生に有益だとはかぎりません。現場の先生だからこそ感じる「志望理由を書かせなければならないがゆえのディレンマ」かもしれませんね。それでもやはり「とりあえず……」は避けたいところです。どのように導くかとても難しいところです。
“三大ダメ志望理由”を乗り越える
では、“三大ダメ志望理由”をどう乗り越えるか。根岸は「自分の思いと社会とのつながりを説明すること」を意識して書くよう伝えます。現代社会には大なり小なり問題(Issue)があり、あなたが能動的に関わること(Solution)で望ましい方向へ向かい、あなたが思い描く将来(Vision)が実現する。V・I・Sを明示することが、志望理由書を書く準備の秘訣です。
これなら好きだけ・高収入だけの志望理由も乗り越えられます。将来像が見えなくても、たとえば気になるニュース(大きな問題)や身近な疑問・不満(小さな問題)から出発して、それなりの志望理由をつくり上げることができるはずです。根岸の指導はこのように具体的な問題・現状から出発することが多いですね。
ちなみに、社会分析のV・I・Sと自己分析のC・E・R・Aの七つの着眼点「VISCERAモデル」と「志望先研究」で合格を勝ち取る指導を根岸はしています。残りはまた別の機会に。気になる方は学びエイドの動画「うかる!志望理由書・自己申告書の作成法」をご覧ください。