作問は自己流。ほんとにそれって良いんですか?
中学校、高校の先生方に話を聞くと、「前年度の先生に倣ってテストを作ってます」「主任の先生や同教科の他の先生と形式合わせて、あとは自己流でやってきました。」という方が結構多くいらっしゃいます。
テストづくりについて教育課程で触れられず、実習でも期間が違えばテストを見ずにそのまま「先生」として教壇に立っている方も。
要は今まで受けてきたテストの経験と職場にある資料を参考にして作ってきたわけです。
「作問ってこれでいいの?」と悩んでいるけど日々の業務や教材研究に時間を割くことが多くそのままにしてしまっているというそのモヤモヤを解消すべく、#現代文作問勉強会202208 を開催しました。
指導と評価の一体化、PDCAサイクル、のような言葉が教育界隈ではスタンダードですが、実際のところ「自分の作った問題で正しく学力が測れているか」という点に立ち返りながらテストを作らねば指導の見直しに繋がるはずもありません。
もちろん「作問」について関わりがあるのは教員だけでなく塾の先生も指導にあたってテストとは縁が切れません。というよりむしろ、テスト作りの構造を理解しておくことで、生徒の成績アップのための「より良い指導」に繋がると確信しています。
実際、これまでに何度か勉強会を開催しました。とても多くの反響をいただき再度現代文作問勉強会を開こうという思いに至ったわけです。
今回、根岸の呼びかけに応えて、たくさんの方が手を挙げてくださり、あわせてなんと40以上の問題が集まりました。多種多様、個性豊かな問題たち。
作問はせずROM(聞く専門)で参加される方も含めるとかなりの規模となり、今回は二部構成とすることにしました。主催する側としても嬉しい限りです。
事前に募集した作問を参加者に公開すると、Twitter上では「その出し方があったか!」と早速反響が。会が始まる前から学びを得て興奮してツイートをする方も。鼻血を出した方もいらっしゃいました(笑)
今回参加者は、次のレギュレーションで作問を行いました。
素材文は千葉雅也著「現代思想入門」からの抜粋。フランスの思想家ミシェル・フーコーについて書かれた箇所です。
そして、①設問を五つ設定すること(枝問はOK)②四つ以上の選択肢をもつ選択式問題1問、抜き出し式問題1問、40〜80字の範囲内の記述式問題1問を含むこと③正答、解答例、記述問題の採点基準を記入すること、としました。
いざ勉強会!
勉強会は根岸による講演会から始まりました。作問の基本的な考え方、素材文の選定法、そして作問の手順などについて30分ほど(#現代文作問勉強会202211 では同内容を小説バージョンでお話しします。気になる方はお越しください!)。
そして今回の勉強会の姿勢について話をしました。
「キャッキャウフフとチャリタブル」を大事にして参加してほしいというお願いです。
経験年数や指導の立場の違いはあれど、若手やベテランそれぞれの立場に応じて補い合うように討議してほしい。怪獣のフィギュアを持ち寄って戦わせている感覚で、資質・能力の批評ではなく、問題を使って遊んでほしい。#現代文作問勉強会202208 が大切にしている精神です。
実際に参加されている皆さんは、経験年数の浅い方も、勉強会に何度も参加された方も、「フィギュア」について素朴な疑問を出し合ったりハイレベルな意見の交わし合いをしたりして「キャッキャウフフ」な様子が見られました。
講演後はグループを変えつつ2回の討議と報告会が行われました。
次回以降!
取材に入ったスタッフによる討議の様子や根岸のお楽しみ!アフタートークの様子をお届けします。
第2回はこちら
第3回はこちら
質問箱やTwitterのDMを公開しています。素朴な疑問や開催してほしい勉強会のリクエストも歓迎です。ドシドシ送ってください。